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「総合医の養成」は地域病院の使命 - 花輪峰夫・秩父病院院長に聞く◆Vol.2

レポート 2017年6月30日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

インタビュー1回目はこちら⇒夢見た地域完結の医療、「今は無力感と脱力感」 - 花輪峰夫・秩父病院院長に聞く◆Vol.1 ――今年4月の日本外科学会定期学術集会では、特別企画「今こそ地域医療を考える」の中で、「研修医の視点に学ぶ格差解消への模索と地域医療の役割」と題してお話しをされていました。 花輪峰夫・秩父病院院長 私自身にも言えることですが、近年医師個人の対応能力は大幅に縮小していると言わざるを得ません。特に若い医師達は、極端な専門医志向と教育の結果、その傾向が著しいと思います。あるとき、当院に来ていた研修医が「目からウロコでした」と言ったのですが、何かと思ったら「アッペって開腹するんですね。こんなに直ぐ終わるのですか」。 私の方が目玉が落ちそうになりました。今や鏡視下手術が全盛ですが、10分やそこらで終わる小児のアッペやヘルニアを、挿管全身麻酔下、腹腔鏡下で行うことには納得がいきません。私は自分の孫にはそうした手術をやりたいとは絶対に思いません。 もちろん、鏡視下手術は素晴らしい手術です。ラパコレについては、当院では1987年にフランスで行われた5年後の1992年には導入し、今や胆...