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米国の研修医、勤務時間制限を一部緩和

レポート 2017年6月23日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医療機能評価機構の第8回医療政策勉強会で6月21日に講演した、米国ハーバード大学マサチューセッツ総合病院の循環器内科指導医の島田悠一氏は、米国の専門医に限らず、「医師の働き方」についても講演し、「振り子の揺り戻しが起きている」現状を紹介した(専門医制度の概要は、『米国の研修医、勤務時間制限を一部緩和を参照)。 米国では初期研修について、勤務時間に制限があり、1年次の研修医の場合、連続勤務は16時間が上限だったが、2017年3月に2、3年次と同様に、「24時間勤務」を可能とする方針が打ち出された(7月から実施)。16時間の上限では、自分の診断や治療の結果が正しいかなどを、記録ではなく自ら経験できる機会を逸するなど、診療の継続性が保てないことが問題になっていたからだ。勤務時間の上限緩和に先立ち、ランダム化比較試験を実施、「勤務時間制限を緩めても、診療の質には影響しない」という結果は、2016年のNEJMに掲載された(NEJM.2016 Feb;374(8):713-727)。 「研修医の勤務時間については、米国も試行錯誤している。長すぎると過労になる一方、短すぎると十分な研修ができない...