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暴行や刺傷事件は「医の倫理以前の問題」

レポート 2017年6月30日 (金)  水谷悠(m3.com編集部)

日本医師会の横倉義武会長は、6月25日の第140回定例代議員会で、研修医らによる暴行事件や医学生による刺傷事件などが相次いで起こっている現状について、「一連の事件は医の倫理以前の問題で、誠に遺憾であり残念。医師には強い倫理感が求められていることを、医学生や医師を志す人に強く知らせていかなければならない」と述べ、危機感を示した。 日医の横倉義武会長 医の倫理に関しては、鹿児島県代議員の金子洋一氏が代表質問、東京都代議員の小林弘幸氏が個人質問で取り上げた。 金子氏は、「日医代議員会では医の倫理に関する質問が繰り返されているにもかかわらず、医学生や研修医による事件が後を絶たない。医の倫理はどこに行ったのか」と嘆息。日医が率先して、大学医学部や臨床研修病院に協力を依頼して倫理高揚を説くべきだと指摘した。 これに対し、横倉会長は、そもそも医師は患者の利益を自らの利益の上に置き、専門職としての能力と倫理の水準を高め、専門職自律の原則に立って、自己規律を行うことが求められるとした上で、「組織としての責任を担い、社会に対しての責任を負うのが、医師の職能団体、即ち医師会の役割と考えている」と強調した。 ...