長時間労働、一定の管理を◆Vol.4
スペシャル企画
2017年7月28日 (金)
水谷悠、高橋直純(m3.com編集部)
Q:医師、研究者に対する、時間外労働の上限規制の適用について、お考えがあればお聞かせください。 【一定の規制や管理は必要】 【岩手医科大・佐藤洋一医学部長】医療人のQOLを高めるのは、医療の質を維持するとともに医療人のキャリアアップを図る上で必要なことは言うまでも無い。過度な研究レースの行き着く先が研究不正であり、安定した生活の保障も医学研究を推進する上で必要な要件である。とはいえ、残業時間を規制したからと言って、これらの問題がクリアできるとも思えないし、何より現場の医師数がまだまだ足りない。 【東北医科薬科大・福田寛医学部長】医師の過重労働は、その影響が患者に及ぶのでしっかりとした管理が必要である。一方、救急や緊急手術など杓子定規の規定では対応できない現場もある。また、人手不足で、規制の程度によっては診療が成り立たなくなる場合もある。この辺りが5年猶予の理由であろうか。研究者について、実験の種類によっては処理や観察を長時間連続的に行う必要がある場合がある。また、ある程度実験(勤務)の計画・時間を自分の裁量でコントロールできるので、当面は規制の適用は必要ないのではないか。 【東京医科歯...
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