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平均寿命、都道府県格差が拡大、東大・渋谷氏らのLancet論文

レポート 2017年7月20日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

1990年以降、日本の平均寿命・健康寿命ともに伸長し、多くの疾患で死亡率が減少したものの、平均寿命の都道府県格差は2.5歳から3.1歳に広がっているほか、2005年以降は死亡率の低下が鈍化傾向にあることが、明らかになった。東京大学大学院医学系研究科の国際保健政策学分野助教の野村周平氏、同主任教授の渋谷健司氏らの研究で、「The Lancet」オンライン版に2017年7月19日、掲載された。 都道府県格差を生み出す要因として、保健システムの主なアウトプット(1人当たりの医療費や人口当たりの医師数など)と、リスク要因(行動習慣など)との関係を調べたが、有意な相関は見られず、渋谷氏は、「保健システムのパフォーマンスや所得を含めた健康の決定要因が、今後の研究課題」と説明している。さらに都道府県によって各種健康指標が異なることから、地域医療構想をはじめ地域レベルでの施策が進む中、各都道府県の実情に即した対策の必要性を強調している。 主な研究成果は以下の通り。原題は、「Population health and regional variations of disease burden in Ja...