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「診療報酬の抜本改革」は無理 - 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2017年8月6日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――そのほか、中医協の議論や、診療報酬について、押さえておくべき基本的な考え方があれば、お願いします。 「診療報酬の抜本改革」などとよく言われますが、それは無理だと思います。安易に言わないでほしいというか、言葉がもはや陳腐化しています。 抜本改革として、例えば「ドクターフィー」の導入を求める意見がありますが、それこそ無理。仮に個々の医師に直接支払う仕組みを作ったら、日本の医療は崩壊してしまいます。 日医副会長の中川俊男氏は、日本固有の医療体制や診療報酬改定の経緯も踏まえ、2018年度改定に臨む必要性を強調する。 ――医療提供体制が異なる米国の仕組みを導入しても、意味がない。 その通りです。「若い医師とベテランの医師の技術料が同一なのは、おかしい」という議論もあります。確かに同じ診療行為を実施しても点数は同じですが、それによって得た収入をどのように配分するかは、各医療機関の裁量であり、それこそが経営です。 そもそも医師の経験年数や技術レベルで、診療報酬に差を付けることは相当困難です。どんなに手術の腕がよくても、中には周囲との協調性を欠く医師もいるなど、医師の総合的評価は、各医療機関でない...