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国試の目指す方向、医学部長の考え◆Vol.7

スペシャル企画 2017年8月5日 (土)  高橋直純、水谷悠(m3.com編集部)

Q 2018年の第112回試験では問題数が大幅に削減されるなど、大改革が予定されております。今後の国試の目指す方向性などについてご意見があればお聞かせください。 ⇒国試対策については「医学部での国試対策、多くの大学で実施◆Vol.6」を参照。 【岩手医科大・佐藤洋一医学部長】医師国家試験が資格試験では無く、実質的な競争試験になっているというのは、利他精神を貴ぶべき医療プロフェッショナルを養成する上で、決して良いものでは無いことを認識した上で、医育行政に当たってほしい。問題数削減は、試験の妥当性を増すものでは無く、むしろ資質に富んだ学生の取りこぼしの可能性を増やすことになろう。「国家試験の評価の妥当性に関する議論」を寡聞にして知らない。CBTで問われている事項を削っていくというのは、アメリカのSTEP方式をまねたのかも知れない。しかしながら、日本の医療人育成課程(医学部入学~CBT~卒業試験~国家試験~認定医試験~専門医試験)は、基本的に「認知領域に優れた人材」を選別して育成するものとなっており、それから抜け出ることは難しいと思われる。とはいえ、STEP方式で育成されたアメリカの医師が、...