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地域包括ケア、「概念自体が深化・進化」―田中滋・地域包括ケア研究会座長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2017年8月9日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

2025年を見据えた地域における医療提供体制の在り方を巡る動きが本格化している中で、最も重要な取組の一つが「地域包括ケアシステム」の構築だ。 厚生労働省老人保健健康増進等事業として実施されている「地域包括ケア研究会」座長であり、「地域包括ケアシステム」を理論、実践の面でリードする慶應義塾大学名誉教授の田中滋氏に、概念の成り立ちや医療従事者としてどのように向き合うべきかを尋ねた(2017年6月28日にインタビュー。計4回の連載)。 ――m3.com編集部が医師会員に行った調査では、「地域包括ケアシステム」という言葉の理解は、6割強にとどまり、「言葉は聞いたことがあるが、概念は分からず」「言葉を聞いたことがない」も3割を超えていました(『「地域包括ケアシステム」、医師会加盟医師で理解度高く◆Vol.1』を参照)。改めて、『地域包括ケアシステム』とはどのような考え方、概念なのかをお聞きします。「地域」「包括」「ケア」「システム」という単語は、それぞれどのようなことを意味しているのでしょうか。 田中滋氏 そのように分解して考えたことはありませんでしたが、順に解説すると、「地域」とは日常生活圏域...