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「2025年問題」後の“引き戦”も視野に - 鈴木康裕・厚労省医務技監に聞く◆Vol.2

インタビュー 2017年8月16日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――日本の医療が抱える問題としては、2025年に向けてどのように提供体制を構築していくかという問題もあります。 70歳を超えると、患者自己負担が3割から2割になります。仮に医療費自体は変わらなくても、公費負担は増えるわけです。その上、2025年には団塊の世代が全員、後期高齢者になります。恐らくそこから5年、10年が日本の医療、介護のニーズのピークになるでしょう。ニーズの急増にどう対応するのか、財源はどう確保するか、これは全省的な課題であり、総力戦で取り組まなければなりません。 さらに厳しいのは、医療、介護のニーズがピークを迎えた後、今度は減少してくる点です。言葉は適切ではないかもしれませんが、“引き戦”になるわけです。ニーズが増加する時代は、財源をどう確保するかなどは、いわば交渉ごとになります。しかし、医療費が前年度より減少する時代は、相当につらい。既に設備投資した費用をいかに回収するか。医師や看護師は今は非常に有効求人倍率が高いけれども、将来はどうなるか――。 将来直面する諸問題をうまく乗り切るためには、その基盤をここ2~3年できちんと作らなければいけません。 2018年度診療報酬改...