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分娩施設集約化は「崩壊決定的に」と危機感

レポート 2017年8月8日 (火)  水谷悠(m3.com編集部)

神戸市西区の産婦人科医院「おかざきマタニティクリニック」(岡崎光男院長)で2015年9月に無痛分娩で出産した女性が今年5月に死亡し、男児も重い障害を負った事故に関し、クリニックの代理人で日本産婦人科協会の顧問も務める井上清成弁護士や同協会事務局長の池下久弥氏が8月8日に都内で記者会見し、事故についての「院内検討委員会報告書」の一部や、これを受けた同協会による緊急声明、クリニックについての「安全宣言」を公表した。 緊急声明では、神戸のほか、京都などでも常勤医師1人体制の診療所で無痛分娩に関する医療事故が起きているものの、麻酔科医の派遣や産婦人科医の複数配置、分娩施設集約化などは現実的ではないとし、「このような状況で現実的でない改善策が採用されたならば、分娩取り扱い施設の崩壊が決定的になってしまう」と危機感を示した内容だ。 弁護士の井上清成氏(左端)、日本産婦人科協会事務局長の池下久弥氏(中央)ら 院内検討委員会は池下氏が委員長、同協会副会長の堀口貞夫氏(主婦会館クリニック院長)が外部委員を務め、他に院内委員2人の計4人で構成。2017年7月1日と29日に2回会議を開催して報告書をまとめた...