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独自カリキュラムで卒業生は「永久ライセンス」-上田陽一・産業医科大学副学長に聞く◆Vol.1

スペシャル企画 2017年8月22日 (火)  高橋直純(m3.com編集部)

「働き方改革」が叫ばれる中、メンタルヘルス対策、復職支援など医療面への期待は高まる一方だ。2018年で大学創設40年となる産業医科大学はこれまでに多くの産業医を輩出、日本の産業医学をリードしてきた。上田陽一副学長(第1生理学教授)に産業医科大の歴史や産業医学を取り巻く現状を尋ねた(2017年7月6日にインタビュー。計2回の連載)。 ――そもそもですが、産業医大とはどのような大学なのでしょうか。 上田陽一氏産業医科大学副学長(教育・研究担当)/第1生理学講座教授 上田陽一氏 1972(昭和47)年の労働安全衛生法の制定により、一定規模以上の事業場に産業医の選任が義務付けられ、産業医の確保が緊急の課題となりました。しかし、法律はできても産業医を養成する仕組みがなかったので、労働省(現:厚生労働省)が1978年に産業医養成を目的として設置しました。学校法人の形をとっていますが、自治医科大学と同じで、極めて公的な色の強い大学となっています。学費は3000万円程度ですが、公益財団法人産業医学振興財団が修学資金を貸与し、卒後に産業医勤務2年を含む、指定された機関での9~11年間勤務により返還が免除...