アルファロメオを購入、日本に持ち帰る◆Vol.10

――石飛氏は大の車好き。80歳を超えた今でも、「ポルシェ930ターボ」マニュアル車を乗りこなす。ドイツ留学時代はどんな車に乗っていたのだろうか。 若い時は、短くて半年、長くて2、3年くらいのサイクルで車を替えていた。ドイツに留学する前、静岡赤十字病院時代に乗っていたのは、トヨタクラウンのハードトップ。東名高速道路ができたばかりの頃、調子よく走っていた。しかし、途中から日産のプレジデントのパトカーに追いかけられたことがあった。でも、追いつかれなかった。無線張られて沼津で捕まって、警察署に連れて行かれた。 「なぜそんなに急ぐんだ？」って、聞かれたよ。「別に急いでいたわけではなく、今日は土曜日で、慶應の研究室に寄ろうかと思っていた」と答えたら、「何、あんた、お医者さん？勤務先は静岡日赤？うちの隣じゃないか」て言って、急に態度が変わった（笑）。ただし、「ここまで来てもらった以上は、何もなかったことにするわけにはいかない」、「前の車の進路妨害ということで、2点減点。それで許す」。「いやはや、何も文句ありません」。全ては今から約半世紀前のこと、大らかな時代だった。 そのクラウンを売ったお金を片手に...