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岡本太郎の言葉、「病院という名前がいかん」◆Vol.12

スペシャル企画 2017年9月12日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――済生会中央病院の労働組合「全済労」が強くなり、日常業務もままならない中、石飛氏らは独自の労働組合作りを約2年かけて進めた。 別に特別なことをやろうとしたわけでも、組合活動が目的でもなく、いい医療をやりたかっただけ。いい医療をやれば患者さんは来る。そうすれば収入も付いてくる。その結果、さらにまた次の医療に投資でき、要するにプラスに回転する。そんな当たり前のこと、病院のためになることをやろうとしていたにすぎない。 最終的には、職員の約3分の2が我々の「第二組合」に入った。名前は、「済生会中央病院労働組合」とした。初代の委員長になったのは僕。こんなエピソードもあった。「全済労」の幹部と、トイレで一緒になった時、「なあ先生、労働組合の委員長が外車かなんか乗っていいのか」って聞くから、「何を言うんだって。あれは僕の金で買ったんだって。他人様からもらったわけではない」と返した。ドイツ留学から帰ってきて、そのままアルファロメオに乗っていたけれど、ドイツ時代はいい医療をやれば、その対価として報酬がもらえた。当たり前のことが通じていた。いまだに、当たり前のことが通用しないのが日本。 33年間勤めた済...