ドイツに倣い「ドクターサロン」◆Vol.13
スペシャル企画
2017年9月13日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
――労働組合問題が解決に向かうにつれ、減少していた患者も増加に転じ、済生会中央病院の経営が上向き始めた。 一時は大変だったけれど、医療をやりたいという思いは、皆一緒。済生会中央病院には、主に慶應大から若くて、新進気鋭の実力のある医師がたくさん来ていた。僕もまだ30代で、先輩でもせいぜい3~5歳上くらい。「いい医療をやれば、患者を救える。それでまた患者が来るようになれば、給料も上がる」。そう考えていた。単純な話だよ。だから皆、一生懸命に医療をやった。僕がちょうど頸動脈内膜剥離術(CEA)の手術を神経内科と一緒に取り組み始めた頃だったので、そのおかげもあって、患者さんは着実に増えてきた。 患者中心の医療を実践するために、参考にしたのが、ドイツ留学時代にその良さを知った「ドクターサロン」。患者さんの治療に当たっては、一人の医師、あるいは一つの診療科だけで担当するのではなく、それこそ手を貸す力のある者が集まって、患者さん個別の問題点を捉えることが必要。内科や外科だけではなく、男性なら泌尿器科、女性なら婦人科も関係する。しかし、済生会中央病院の医師は、慶應大出身という意味では同門が多かったけれど...
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