急性肺血栓塞栓症「患者とリスク共有を」、日本医療安全調査機構
レポート
2017年8月30日 (水)
高橋直純(m3.com編集部)
日本医療安全調査機構は8月29日の記者会見で、「医療事故の再発防止に向けた提言」の第2号として「急性肺血栓塞栓症に係る死亡事例の分析」を公表した。医療事故調査制度において報告された死亡 8 事例を分析し、急性肺血栓塞栓症が強く疑われるは直ちに抗凝固療法(ヘパリン単回静脈内投与)を検討したり、患者が主体的に予防を実施できるように指導したりすることなどを提言している(資料は日本医療安全調査機構のウェブサイト)。 提言は4月の「中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析」に続いて2例目(『中心静脈穿刺、「高リスク危険手技」との認識を』を参照)。 今回の提言は、急性肺血栓塞栓症専門分析部会(佐藤徹部会長:杏林大循環器内科教授)が作成。2015年10月から2017年3月までに報告された院内調査報告書の死亡330事例のうち、急性肺血栓塞栓症は11事例だった。そのうち造影CTでの臨床診断など、機構が設定した条件を満たした8事例を分析した。 提言は6項目。 1.リスクの把握と疾患の認識 早期診断が難しい疾患であることを認識する 2.患者参加による予防 患者とリスクを共有し、主体的に予防法を実施できるよう指導す...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。