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「手術は100%成功した」と記者会見◆Vol.16

スペシャル企画 2017年9月16日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1983年、ジャイアンツの加藤初投手の過外転症候群の手術は無事、成功。手術の成功もさることながら、記憶に残るのは、その後に行った記者会見だという。 加藤初投手の手術を担当した石飛氏。当時の関連新聞は大切な思い出として保管している。 僕は、慶應大時代に医学部競走部(陸上部)に所属していたが、いろいろな意味で生き方を教わった他学部の元競走部の先輩がいた。社会に出てから活躍をされていた人。「お前な、だいたい医師というのは、世間知らずが多いからさ。時々僕のところに遊びに来いよ」などと言われて時々顔を出していた。 加藤投手の手術の話もしており、手術が終わった当日の夜も顔を出した。「そうか。お前、本当に治したのか」って聞くから、「先生、本当に治しましたよ」と答えたところ、先輩は、「お前、明日の朝な、スポーツ各紙の記者を呼んで、『手術は大成功』と、派手に記者会見をやれ」と言った。一瞬、喜んだ僕を見て、「言っとくけどな、お前が手術の成功を自慢するためじゃないぞ。加藤投手に自信を持たせるためにやるんだ」と釘を刺された。まさに僕は、「世間知らず」だった(笑)。 僕もお調子者だから、その先輩の言葉を信じ...