1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「副院長は解任」、納得できず病院を提訴◆Vol.19

「副院長は解任」、納得できず病院を提訴◆Vol.19

スペシャル企画 2017年9月19日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1997年1月末、済生会中央病院のスキャンダルが、朝日新聞に報じられた。済生会中央病院を運営する東京都済生会は社会福祉法人であり、税制上の優遇を受ける代わりに、運営の公益性や経営の健全性が求められており、定款上、リスクを伴う資産運用は禁止されていた。にもかかわらず、1984年から7年間にわたり、投資信託や外国債券など有価証券投資を行い、10億円近い評価損を出すなど、その経緯を問題視する内容だった。 スキャンダルが明るみに出たきっかけは、その前年の1996年の夏、当時の院長宛てに届いた一通の告発文。元事務長の経理処理などを問題視する内容だった。その告発文の真偽を調査するための委員会が設置され、その委員長になったのは、当時副院長のポストにあった僕だった。 関係資料を集めるなどして調査した結果、定款に違反して、有価証券投資が行われていたのは事実だった。僕は調査委員長として、報告書をまとめ、1996年11月初めには、院内の管理部長会で報告する予定だった。しかし、院長に提出した報告書は日の目を見ず、僕の委員会は解散、その代わりに外部の公認会計士による再調査がスタートした。その結果は、損失では...