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“モンスター”家族がホームを変えた!◆Vol.22

スペシャル企画 2017年9月22日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――芦花ホームが「誤嚥性肺炎製造工場」から脱するきっかけとなった一つが、ある入所者の家族の存在だった。 僕が芦花ホームに来た時、まず施設長から、「うちには文句ばかりを言う、“モンスター”家族が2組いますから、気を付けてください」と言われた。そこで家族会に出てみたところ、案の定、かみつく家族がいたよ。 入所しているのは、その方の8歳の上の奥さん。かつては、しっかり者だった奥さんが、認知症になり、介護が必要になった。徘徊や暴言が見られ、介護に抵抗するようになり、8年間は自宅で介護したけれど、さすがに手に負えなくなってきて、入所。それから6年が過ぎたところで、誤嚥性肺炎で入院。「半ば無理に食べさせられていたから、誤嚥してしまった。お前たち、何やっているんだ!」。そんな思いがご主人にあった。しかし、職員たちに話を聞いてみると、悪気があってやっているのではなく、本人のためになると思ってやっている……。 入院先の病院は胃瘻の造設を提案したけれど、ご主人は「胃瘻を付けてまで生かすことは、世話になった女房に恩を仇で返すようなもの」と言い、芦花ホームに帰らせたいと言い出した。しかし一方の施設側の職員は、...