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「医療を押しつけないでほしい」、看護師の遺言◆Vol.24

スペシャル企画 2017年9月24日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――芦花ホームで、思い出に残る「看取り」を挙げてもらった。 「私にとって、『生きる』ということは、また『誰かの役に立つこと』『社会のために働くこと』。私の自己実現、自分の居場所を確保できる唯一の道は、看護師として、世の中のために働くこと。 しかし、化学療法を受ければ、何もしないよりは長く生きることができるかもしれないけれど、その副作用で体力が衰えたり、仕事を続けていくわけにはいかなくなる。それではいつまでも生き続ける意味がない。そこまでして、延命したいとは思わない。 がん細胞であっても、私の体の一部。ある意味、一心同体の我が子ではないか。それを暴力でねじ伏せようとしても、また別のところで暴れるだろう。そうであれば、一心同体のものとして受け入れる。 これは私の生き方であって、他人に押しつけるわけではない。もう余命はわずかなのに、自分の生き方を否定されるのはつらい。医師は終末期の患者に、医療を押しつけないでほしい」 入所者との写真は、講演の際にもよく使用している。笑顔の方が多い(提供:石飛氏) この言葉は、40代の看護師、原美幸さんが私に残した遺言。病院の緩和ケア病棟でがん性疼痛看護の認定...