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「医療が壊れるか、勤務医が壊れるか」

レポート 2017年9月11日 (月)  水谷悠(m3.com編集部)

全国医師ユニオンと東京過労死を考える家族の会、過労死弁護団全国連絡会議が9月9日、「過重労働と医師の働き方を考えるシンポジウム~医師の働き方改革への提言~」を東京都内で開催した。過労死弁護団全国連絡会議代表幹事の松丸正弁護士は、国立循環器病研究センターで、勤務医に「月300時間、年2070時間」まで時間外労働をさせられる「36協定」が結ばれていたことを「常軌を逸した協定」と指摘。ただし、過労死を生まず、健康を守るためには、勤務時間の適正把握が最も大事であるとし、「今は医療が壊れるか、勤務医が壊れるかの二律背反の状況だ」と訴えた。 国循300時間、「常軌逸した36協定」 シンポジウムは、今年2件が相次いで労災認定された後期研修医の過労による自殺などを題材に議論が行われた。 植山直人氏(左端)ら登壇者 松丸氏は、国立循環器病研究センターの「36協定」を、情報公開請求により入手。同センターの「36協定」は、2012年度に結んだもので、第2条で時間外労働時間の上限を医師から事務職員まで全ての職種で一律に「月45時間、年360時間」とした上で、第4条で「特別の事情がある場合の時間外労働時間」とし...