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「医師支援死亡にどのように対応するか」、高久氏がCMAAOで講演

レポート 2017年9月15日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

アジア大洋州医師会連合(CMAAO)の第53回総会・理事会が9月14日、東京都内で開催され、「終末期医療」をテーマに各国の出席者によるシンポジウムが行われた。第15回武見太郎記念講演として日本医学会前会長の高久史麿氏が講演し、日本の終末期医療を巡る議論の歴史や現状について説明。今後の課題として「海外で増加しつつある『医師支援死亡』(PAS、PAD)などにどのように我が国で対応するか」などと指摘した。 高久氏は高齢化が進む日本の将来や、自身が座長を務めた日本医師会生命倫理懇談会の報告書などを踏まえて、日本の終末期医療の現状を紹介。依然として、「医療の目的は『キュア』だけだと考えていて、延命だけが目的と考えている医師がいる。亡くなる人の8割が病院で死亡するが、病院では何らかの措置をすることが役割となっていて、過剰な医療が行われる。患者の尊厳ある死、平穏な死を助ける『ケア』も医療だとする医学教育が不十分だった」との見方を示した。 喫緊の課題は「平穏で適切な死に至ることを、個々の高齢者において実現すること」とし、課題を次の3点に整理した。(1)患者の意思決定支援の仕組みをどのように工夫するか、...