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『「平穏死」のすすめ』、最初は出版断られる◆Vol.25

スペシャル企画 2017年9月25日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2010年2月に上梓した『「平穏死」のすすめ』はベストセラーになり、その後に関連書籍も数多く執筆した石飛氏。「平穏死」をテーマにした講演は800回を超したという。しかし、最初に出版社に企画を持ち込んだ時には、快い返事がもらえなかったという。 僕が芦花ホームで仕事を始めたのは、2005年。それから人生の最終章、最期をどう看取るか、「医療の意味」をいろいろ考え、実践していた頃、施設長が2009年4月、年度替わりの時期に交代した。新しく来た施設長の第一印象は、「体がでかく、不愛想だな」(笑)。その施設長から同じ年の6月のある日、朝礼が終わった時に、「先生」って声をかけられた。「ここで始まっている看取りは、全国に普遍化すべきじゃないですか」と言って、本にまとめるよう勧められた。僕は驚くと同時にうれしかったね。 さっそく頑張って原稿を書いた。知り合いに口を利いてもらった講談社の編集者、当時の第一編集局長に持っていったら、「この類いの話は、今いっぱいあふれている。そもそも活字離れの時代。先生が鎌田實先生のように有名だったら、喜んで本を出しましょう。けれども先生は、済生会問題で取り上げられただけ...