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平穏死宣言、方法は「2択」で可◆Vol.26

スペシャル企画 2017年9月26日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――「医療の意味を考える」「医療を押しつけない」という意味では、超高齢社会を迎え、「事前指示」の在り方も問題になる。 AD(アドバンス・ディレクティブ)、事前指示(リビングウイル)も今後、問題になってくるが、まだ日本では基本的なコンセンサスが定まっていない。先日、あるNPO法人の知り合いから相談があった。「中心静脈栄養、胃瘻、人工透析、人工呼吸はどうするかなど、各項目ごとに細かな記載事項がいくつもあり、それが必要か不要かを、いちいちチェックするような事前指示書。これじゃ、書ききれない」と。それは、ある公的な組織が作った事前指示書だった。 これに対して知り合いが提示したのは、「自分が人生の最終章を迎えたら、余計なことをしないでほしい」と思うのか、あるいは「どんな方法でもいいから、とにかく平穏死を選ぶか否か、1日でも生きている時間を延ばしてもらいたい」のか。この2択でいいという提案だった。 芦花ホーム内を歩いては、気軽に入所者に声をかける日々。 前者は、「もう間もなく最期が来る。もはや治療法がないと判明した場合、一切の延命治療は拒否します。ただ、苦しんでいるのなら、それを和らげる方法はぜひ...