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特養での平穏死、「常勤医」が必要◆Vol.27

スペシャル企画 2017年9月27日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――特別養護老人ホームの入所者に対しては、周囲の医療機関から「配置医」が訪問し、診察、検査や投薬を行う。芦花ホームのように、配置医に加えて常勤医が特養にいるケースは少ない。 僕の『「平穏死」のすすめ』を読んだある人から、相談を受けたことがあった。特養の開設を計画しており、配置医に加えて、常勤医も置きたいとのこと。ところが、その地域の医師会に相談したら、「どうぞご自由に。ただ、われわれ医師会の権益を侵さない範囲でやってください」と言われたとか……。 「配置医」は、入所者の生活、人生観などまでは深く見ず、大抵が2週間に一度来て、看護師さんや介護士さんから話を聞いて、簡単に体を診察して、検査をオーダーしたり、薬を処方したりするだけのケースが多い。そうではなく、人生の最終章を迎える入所者に寄り添い、それぞれの人生を踏まえ医療がどうあるべきかを考え、“医療の仕分け”をするためには、やはり常勤の医師が必要。 また高齢になれば、生活習慣病や認知症など、さまざまな疾患を抱える。それに比べて、各科の医師が対症療法的に薬を処方していたのでは、薬は増えるばかり。 芦花ホームにある時、20種類もの薬を飲んで、...