1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 母校の慶應大医学部でも講義◆Vol.29

母校の慶應大医学部でも講義◆Vol.29

スペシャル企画 2017年9月29日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――「『平穏死』のすすめ」を上梓した反響は大きく、医学生の講義を担当したり、医療者や一般市民を対象にした講演も数多く引き受けた。 本を上梓後は、母校の慶應大医学部にも数回講義に行った。済生会中央病院時代に、専門の血管外科の講義をしたことがあったけれど、聴講に来た学生はまばら。誰かがノートを取り、試験の時にはそれが出回っていたらしい。けれども「平穏死」の講義に行ったら、同じ講堂だったけれど、学生だけでなく、大学院生まで来ていて満席。皆、真剣だったよ。やはり皆が考え始め、関心を持っていたテーマだった。 その後、慶應大の医学生、それも1年生がEEP(Early Exposure Program)として、芦花ホームに来るようになった。2人1組で1週間いる。「ここでしか、経験できないことをさせてほしい」と職員にはお願いし、食事介助や入浴介助、体位交換、おむつ替えなどをやってもらっている。実習が終わった後の医学生たちの感想文には感激する。「お年寄りの世話をさせてもらって、改めて医師になる意味を考えた」などと書いてあり、本当に泣けるね。かつて(慶應大のキャンパスの一つである)日吉で雀荘に通っていた僕...