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地域包括ケアでは医療費は削減できない-二木立・日本福祉大学相談役に聞く◆Vol.2

インタビュー 2017年10月16日 (月)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

二木立・日本福祉大学相談役に聞く 地域医療構想でも病床数は減らない◆Vol.1 地域包括ケアでは医療費は削減できない◆Vol.2 ――地域包括ケアシステムの2つの源流(「保健医療系」と「(地域)福祉系」)は、どのように関係してくるのでしょうか。 まじめにやっていると、それぞれが必要に迫られて融合するようになるはずです。私は病院チェーンの研究を進める中で、1996年に、保健・医療・福祉を一体的に提供しているグループの存在に気づき、「保健・医療・福祉複合体」と定義しました。 全国的に見れば、独立した単機能の施設間のうるわしい連携(ネットワーク)が有効に機能している地域はごく一部の大都市部に限られます。逆に、大規模「複合体」が全ての保健・医療・福祉サービスの「囲い込み」を行っている地域も、ごく一部の農村部だけです。これらを両端として、大半の地域では、入所施設開設「複合体」、「ミニ複合体」、単機能の医療・福祉施設とが競争的に共存しているのが実態です。 私が強調したいことは、病院だけでなく診療所も、本格的に地域ケア・在宅ケアに取り組もうとすると、程度の差こそあれ「複合体」を形成する必要に迫られる...