専門医取得の義務化、「崩れてしまった」- 高久史麿・前日本医学会長に聞く◆Vol.2
スペシャル企画
2017年11月4日 (土)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――新専門医制度は2017年度開始の予定が、医師の地域偏在、地域医療への影響を懸念する声が上がり、1年延期となりました。「専門医の在り方に関する検討会」の報告書では、この点への言及はあるものの、あまり懸念されていなかったように思います。 そうですね。地域医療などへの影響を懸念する声がこれほど出るとは、当時は想定していなかったと思います。それよりも、より良い専門医を育てたいという思いが第一でした。 「将来的には、専門医資格取得の義務化が必要。標榜科目は資格取得の領域に限定し、自由標榜制を見直すべき」と語る、高久史麿氏。 ――新専門医制度の基本的な考え方を、実際の制度に落とし込んでいく段階で、問題が生じてきたということでしょうか。 研修プログラム制になり、経験症例数などの要件を設定した結果、大学病院中心の制度になったのではないでしょうか。大学病院が基幹病院になれば、連携病院にどの程度、専攻医が行くようになるか、この辺りは実際にスタートしてみないと分からないですね。 ――懸念を払拭し、2018年度開始に向けた議論の過程で、検討会報告書の提言から幾つかの変更がありました。 検討会報告書では、「...
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