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現状のまま上限規制では「有名無実に」

レポート 2017年10月23日 (月)  水谷悠(m3.com編集部)

厚生労働省は10月23日、第3回働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)を開催し、大学病院の後期研修医ら若手医師4人からヒアリングを行った。東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センターの後期研修医、赤星昴己氏は、時間外労働の上限規制について、必要ではあるが、病院の経営や医師数に余裕がない現状のまま規制すれば、「上限規制は有名無実となる。病院が抜け道を探して長時間勤務や無給勤務を強いる形を誘発しかねない」などと指摘。医師事務作業補助の導入や勤務時間の適正な評価基準の導入、管理者を含む人々の考え方の改善などを訴えた(資料は、厚労省のホームページ)。 厚労省の医師の働き方改革に関する検討会 赤星氏は救急で勤務時間が長くなる要因として、「根本的なスタッフ不足と患者数過多」、「連続勤務による作業効率の低下」、「予想外の救急搬送や緊急手術」、「勤務時間が長いことを問題と考えない文化」、「長時間勤務が健康被害をもたらす実感がない」ことを列挙。長時間労働には診療科や地域、施設、年代による差があるために一律に制限を設けることは困難であることや、奉仕や過労を美談や苦...