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“けんかの仲裁”の構図、脈々と流れる -有賀徹・労働者健康安全機構理事長に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2017年11月18日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」の2013年5月の「とりまとめ」に対し、「結局、社会の仕組みを作るのは、付加価値を求める人の方が上手だった可能性がある」と言われましたが、それはどのような意味でしょうか。 全国医学部長病院長会議はかねてから警鐘を鳴らしていましたが、医療事故調査制度については「危ない橋を渡っている」状況が今、見られます。要するに事故報告書を使い、弁護士が「お金に換える」という話に加担し始めているということ。 第三者機関に報告した医療事故は、医療機関側、患者側の双方から第三者機関に調査を依頼できます。患者側は「真実を知りたいから」と言うけれど、第三者機関に調査を依頼するのは、医療機関に対し、何らかの不満や疑いなどを抱いている場合であって、既に紛争化しつつあるわけです。だから全国医学部長病院長会議は、もうその時点で医療事故調査制度に基づく調査はフリーズすべきというメッセージを出しているわけです(『「裁判になれば、事故調制度は停止を」医学部長会議が申し入れ』を参照)。 医療事故調査制度は、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」の延長線上にあり...