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医師、そして娘から見た「父、宇沢弘文」- 占部まり・宇沢国際学館取締役に聞く◆Vol.1

インタビュー 2017年11月26日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「社会的共通資本としての医療」。日本医師会会長の横倉義武氏は、この10月の世界医師会会長就任あいさつで、経済学者の故宇沢弘文・東京大学名誉教授の論考を引用した。少子高齢化で、医療政策や医療の在り方が問われ、難しい舵取りを迫られる中、改めて宇沢氏の論考が注目されている(『横倉日医会長、世界医師会長に、米シカゴで就任式』を参照)。 宇沢氏の専門は数理経済学で、米国留学から帰国後、日本の戦後の高度成長期の歪みを目の当たりにして、1974年には『自動車の社会的費用』(岩波新書)を上梓し、経済・社会問題への関心を深め、医療についても、教育などと並んで社会的共通資本としての論考を深めることになった。 2014年の宇沢氏の逝去後、講演録などを編集した『人間の経済』(新潮新書)などの上梓につなげるなど、宇沢国際学館の取締役として、宇沢氏の思想の伝道者の役割を果たしているのが、宇沢氏の長女で内科医の占部まり氏。「社会的共通資本は汎用性が高い理論。だから安易な解釈をされないように、正しい理解を深めたい」と語る占部氏に、宇沢氏のエピソードも交えながら、「社会的共通資本としての医療」の意味、現在の活動をお聞き...