1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「社会的共通資本としての医療」、3本柱で普及 - 占部まり・宇沢国際学館取締役に聞く◆Vol.2

「社会的共通資本としての医療」、3本柱で普及 - 占部まり・宇沢国際学館取締役に聞く◆Vol.2

インタビュー 2017年12月2日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「倫理観の向上、死生観の再構築、内科診断学の再評価」を柱に、「社会的共通資本としての医療」という考え方の普及に取り組まれているとのことです。まず倫理観の向上ですが、個々の医師にとってどのような方法で涵養できるとお考えですか。 自問自答の作業の繰り返しが基本です。「本当にこれで良かったのか。他の考え方はないのか」など、日々フィードバックをかけながら考えることで、倫理観が涵養されていくと考えています。 占部まり氏は内科医として臨床に従事する傍ら、さまざまな活動を続ける。 例えば、インフォームドコンセント。以前の家父長型から情報提供型に変わりましたが、「5年生存率はこうですから、選んでください」と患者に全面的に委ねてしまうのは、医療側のサボタージュに近いのではないかと考えています。「患者や家族が、医師の話をどれくらい理解しているかを調査した結果、10%くらい」という米国の研究結果があります。その状況下で、患者側が治療法を決めるのは困難。われわれがプロフェッショナルとしての経験を踏まえ、情報を提供しつつ、患者の治療を構築していくのが本来の姿ではないでしょうか。その際、患者のバックグラウンド...