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経営努力では対応できないことばかり-対談:高野己保・高野病院理事長◆Vol.3

スペシャル企画 2017年12月17日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

一介の外科医、憧れの人に会いに行く:対談:高野己保・高野病院理事長 高野病院の当時と今◆Vol.1 院長の就任「静かに見守っていてほしい」◆Vol.2 経営努力では対応できないことばかり◆Vol.3 ――精神科医療も含めて、入院から在宅へという流れが進んでいますが、この地域では対応できる見通しは立っているのでしょうか。 高野 地域医療構想調整会議の双相地区会議での部会でも、他の病院長達は、一番困っているのは初期、急性期の認知症だと話しています。暴れるような患者さんは一般病棟では診られないし、受け入れ先が見つからない。被災地だと看護師も強くて、『そのような患者さんを入れるのなら辞めます』と言われてしまうらしいです。うちは内科で認知症を診ていて、そのような看護師はいませんが。 精神科であっても、入院から在宅へという流れは重要ですが、それを可能にするだけの地域資源があるのか。急性期だけ受け入れて、在宅に帰せるかというとそれも厳しい。先ほどから叫び続けている患者さんがいますが、あの方を毎日、在宅で診るとなると家族が先にやられてしまいます。 うちを「社会的入院」を受け入れていると批判する声もあり...