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「医学の素人の裁判官、7人の医師の意見書を否定」

レポート 2017年12月3日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

奈良勾留医師死亡事件の真相究明を求める医療者・法学者有志が12月1日、大阪府内で勉強会を開催、医師の遺族側の代理人を務める弁護士の小泉哲二氏は、同日の大阪高裁判決について、「医学の素人である裁判官が、玄人である医師の判断を否定している」と述べ、奈良県に求めた損害賠償請求を棄却した同日の大阪高裁判決を問題視した。 奈良勾留医師死亡事件は、奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が、奈良県桜井警察署に勾留中の2010年2月、呼吸停止になり搬送先病院で死亡した事件(判決の概要は、『医師遺族、一審に続き敗訴、奈良の勾留医師死亡事件』を参照)。 遺族側は、法医学、救急医学、内科、循環器、腎臓・透析の各分野にわたる計7人の医師の意見書を提出、うち3人の意見書は一審で、4人の意見書は二審でそれぞれ証拠採用された。 男性医師の遺族側が提出した7人の医師の意見書概要(提供:小泉氏) 二審で意見書を追加したのは、「奈良地裁の判決では、われわれが死亡につながると考えていた急性腎不全の程度は重症ではないと判断されたため、専門医の意見書が必要と考えていたからだ」(小泉氏)。また1人の法医の意見書は、...