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携帯、ネットが使えない“トラウマ”をバネに活動 - 石井正・東北大学病院総合地域医療教育支援部教授に聞く◆Vol.1

スペシャル企画 2018年1月3日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

2011年3月11日の東日本大震災で、甚大な津波の被害を受けたのが宮城県石巻市。被災地の中でも最多の避難所を抱える中、全国から集まった約1万5000人の医療者をコーディネートし、「石巻圏合同救護チーム」を統率したのが、石井正氏だ。当時は石巻赤十字病院医療社会事業部長兼第一外科部長で、現在は東北大学病院総合地域医療教育支援部教授を務める。 東日本大震災の教訓を生かすため、大学での仕事に加え、学会や研究会で多数の講演をこなすほか、「NPO法人災害医療ACT研究所」で災害医療コーディネート研修などを続ける石井氏に、震災当時を振り返ってもらうとともに、現在の活動内容をお聞きした(全3回の連載。東日本大震災関連の記事はこちら)。 ――さまざまな活動をされている中で、今、一番力を入れている取り組みは何でしょうか。 災害医療の関係では、総務省の委託事業で、日本無線協会が実施しているDCOMEという、災害医療救護通信エキスパート養成事業のお手伝いをしています。この事業がスタートするきっかけとなったのが、総務省の「大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会」。私は東日本大震災後、さまざまな場で災...