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WHOから名指しで批判された日本 - 村中璃子氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2017年12月17日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――ところで先生は、いつ頃からHPVワクチン問題に関心を持つようになったのでしょうか。HPVワクチンが定期接種化されたのは2013年4月、しかし、その2カ月後の6月には、「積極的な接種勧奨の差し控え」とされました。 最初は関心を持っておらず、接種勧奨の差し控えとなったことも当時は知りませんでした。たまたま観ていたテレビで、HPVワクチンを接種した子どもが痙攣している姿が報道され、小児科の先生に「ワクチン、大丈夫なのですか」と聞いたところ、脳波に異常のない「偽発作」に代表されるように、「思春期の子どもの、歩けない、記憶力や成績が落ちた、不登校といった症状は、HPVワクチンが接種されるようになった以前から経験していた」との返事でした。 もっとも、私は痙攣するという思春期の子どもを実際に診たわけではなく、また一人の小児科医の意見だけで判断してはいけないと思い、取材を始めました。小児科に限らず、さまざまな診療科の医師に話をお聞きし、患者にも何人もお会いしました。他のテーマの取材も並行しつつ、HPVワクチンの取材を開始してから最初の記事を2015年10月20日に出すまでに1年かかりました。その後...