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「既存とは次元の異なる医学部」を実現 - 国際医療福祉大学◆Vol.5

スペシャル企画 2018年1月27日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――日本の医学教育において、どんな点が問題と捉え、いかなる医学部を作ろうとお考えになったのでしょうか。 総長の矢崎義雄氏(以下、矢崎) 私は東大の医学部長時代、統合型のカリキュラムを試みたほか、国際標準の医学教育を行うために、国際医学教育研究センターの設置を申請しました。従来の第1、第2、第3内科などの診療科別の縦割りの医学教育では、お互いの連携が悪く、教育内容が重なる、あるいは隙間が生じるといった問題があるからです。また日本の医学教育は、最近は徐々に変化してきましたが、知識伝授型の教育が主体。一方、アメリカなどでの先進的な事例では、ベッドサイドでの教育が充実しています。 矢崎義雄氏は、東大医学部長、国立国際医療センター総長、2004年度から独立行政法人国立病院機構理事長を務め、2012年から国際医療福祉大学総長に就任。 しかし、明治以来、延々と続いてきた診療科別の講義体制、医学教育の基本的なストラクチャーの変更は容易ではありませんでした。診療参加型臨床実習を実践するにしても、確か2003年当時の大学の全国平均は56~57週であり、各講義の時間を少しずつ削っても60週くらいが限界でした...