m3.com トップ>医療維新>スペシャル企画|小説「朔風 ...>今夜で最後にするつもりなのだ…【連載小説「朔風」第126回】
2018年1月12日 久間十義（小説家）
[あらすじ・登場人物はこちら][連載第1回はこちら]その夜、健太朗とまゆみは寝た。いつものように周囲を気にして一人で部屋に戻った彼女が、誰の目もないことを確かめ、そっとドアを開けて、彼がその隙間にすばやく滑り込む。べつに、もうそんなことは気にしなくてもいいのに、と思う自分と、いや、今後のまゆみの身の振り方を考えれば、できるだけ他の者には知られぬ方がいい、と考える自分がいた。「早く入って……」彼が上がり框（かまち）に立つと、靴を脱ぐ暇もあらばこそ、まゆみが抱きついてきた。常になく昂ぶった表情で唇を...
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