1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「臨床医学論文、日本は30位以下」と警鐘鳴らす、福原京大教授

「臨床医学論文、日本は30位以下」と警鐘鳴らす、福原京大教授

レポート 2018年2月1日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

京都大学大学院医療疫分野教授の福原俊一氏 京都大学大学院医療疫分野教授の福原俊一氏は、1月28日都内で開催された稲門医師会主催の第1回稲門医学会学術集会のシンポジウム「医療×ビッグデータの最前線」で、「データベース研究が医療の質に与えるインパクト」と題して講演、日本の臨床医学コア・クリニカルジャーナル120誌の合計論文採択数で、日本は30位以下に低迷しており、「わが国の医学アカデミアは、岐路に立たされている」と警鐘を鳴らした。 日本の臨床研究低迷の理由として、臨床医の統計解析や英語力の不足が指摘されることが多い。しかし、福原氏は「研究デザイン学」が体系的に教えられなかったことこそが問題であると指摘し、イギリスの遺伝統計学者である故Ronald A.Fisherの「データを集めた後に統計家に相談するのは、確定診断のために死体解剖を依頼するようなものだ」という言葉を紹介した。 (提供:福原氏) (提供:福原氏) さらに福原氏は、臨床研究をめぐる問題として、「臨床研究=臨床試験」ではない点も強調。昨今は診療情報やレセプト情報などのビッグデータの研究での活用が可能になったため、むしろ観察研究こ...