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下瀬川徹・東北大学名誉教授、最終講義「私の膵臓研究」

レポート 2018年2月27日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

東北大学名誉教授(前消化器病態学分野教授)の下瀬川徹氏は2月16日、同大医学部開設百周年記念ホールで最終講義を行った。テーマは「私の膵臓研究」。 下瀬川氏は、膵疾患研究の第一人者であり、多数の研究業績を残した。中でも「早期慢性膵炎」の疾患概念を世界で初めて提唱したことで知られる。その診断基準を世界に先駆けて2009年に発表したのが日本であり、下瀬川氏が中心的な役割を果たした。その後、世界的な議論に発展、2016年には「早期慢性膵炎」の概念が取り入れられた新たな疾患定義である「Mechanistic Definition」が策定された。慢性膵炎は不可逆的とされてきたが、早期の病変を捉えることで可逆的な疾患へとパラダイムシフトした。「慢性膵炎の進展が阻止できる時代になってきた」と下瀬川氏は語り、今後の研究に期待を寄せた。 慢性膵炎の病因・病態を遺伝子や細胞レベルの研究から、疫学的研究にも取り組み、「From Bench to Bedside」という姿勢で取り組んできた下瀬川氏。恩師の名前や、国内外の学会・研究会での第一線の研究者との交流の大切さを説きながら、研究業績を紹介し、最終講義を進め...