「芋で大腸がんを防ぐ」と言わせるメディアとどう付き合うか－対談：市川衛・NHKチーフ・ディレクター◆Vol.3

医師とテレビディレクターが医療情報を発信し続ける訳◆Vol.1 NHKディレクターが語る医療番組の作り方◆Vol.2 m3.com編集部 最近の番組ですと、市川さんが担当されたNHKスペシャル「“血圧サージ”が危ない」（2017年10月29日放送）に対して、医療界からは「正常人の血圧変動を、「血圧サージ」と呼ぶなど誇大な表現があり、視聴者を不安に陥れ、降圧薬の過剰処方をもたらす恐れがある」（『NHKスペシャル「“血圧サージ”が危ない ～命を縮める「血圧の高波」～」に関しての異議』（臨床研究適正評価教育機構理事長の桑島巖氏）といった意見もありました。 市川衛氏 あの番組に関しては、医療界からも「すごく良かった」と、「すごく良くなかった」という意見が寄せられました。それは血圧というものに対して、その方が思ってらっしゃるスタンスや環境によって違う面もあると思います。 ご批判は全て拝読し、自分の番組を振り返る上での参考にさせていただいています。降圧薬の過剰投与のリスクについて言及がありましたが、番組内では今治療を受けている患者さんの行動に影響を及ぼさないよう、薬に関する言及をあえて避け、また、...