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腹部大動脈瘤破裂見逃しは医師の過失か- 岡山地裁、広島高裁判決の詳報◆Vol.1

レポート 2018年3月12日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

地方独立行政法人・山口県立病院機構が運営する山口県立総合医療センター(防府市)で受診した男性(当時69歳)が腹部大動脈瘤破裂で死亡したのは、センターが適切な検査をしなかったのが原因として、遺族が同機構に約6300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2月16日、広島高裁であった。 医師に過失はなかったとする山口地裁での一審判決を取り消し、野々上友之裁判長(三木昌之裁判長代読)は「適切な検査を行わず、医師の診察に過失があった」として、同機構に計約3300万円の支払いを命じた。上告期限の3月1日に山口県立病院機構は上告を申し立てた。 なぜ、医師の過失はなかったとした地裁判決が覆ったのか。地裁、高裁判決を詳報する。 掲載予定 Vol.1 地裁での遺族、病院側の主張 Vol.2 地裁での裁判所判断 Vol.3 高裁での遺族側、病院側の主張、裁判所の事実認定 Vol.4 高裁での裁判所判断 山口地裁判決(桑原直子裁判長) 2016年2月17日 第1 請求 妻に約2873万円、2人の子どもにそれぞれ約1706万円を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は死亡男性(以下、男性)が2011年11月7日に山口...