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地裁は医師の過失ないと認定、診察時の患者主訴が決め手-岡山地裁、広島高裁判決の詳報◆Vol.2

レポート 2018年3月14日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

掲載予定 Vol.1 地裁での遺族、病院側の主張 Vol.2 地裁での裁判所判断 Vol.3 高裁での遺族側、病院側の主張、裁判所の事実認定 Vol.4 高裁での裁判所判断 山口地裁判決(桑原直子裁判長) 2016年2月17日 山口地裁における原告、病院側の主張は『腹部大動脈瘤破裂見逃しは医師の過失か- 岡山地裁、広島高裁判決の詳報◆Vol.1』。 第3 当裁判所の判断 1 A医師の過失の有無 (1)前記第2、3の前提事実(『腹部大動脈瘤破裂見逃しは医師の過失か- 岡山地裁、広島高裁判決の詳報◆Vol.1』を参照)の他 、以下の事実が認められる。 ア 男性の診療歴等 男性は1998年、椎骨脳底動脈循環不全およびうつ状態の診断で他院から被告病院の神経内科を紹介され、神経内科、および神経科で診療を受けるようになった。2000年3月には多発性脳梗塞との疾病名で診療を受けている。 2009年10月には左上下肢の脱力を訴えて、脳梗塞と診断されている。受診を継続し2010年7月には神経科において脳梗塞とうつ病の診療が行われるようになった。2011年には耳鼻科も併せて受診することがあった。 イ 救急...