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「過失あり」は医師の診察内容から-岡山地裁、広島高裁判決の詳報◆Vol.4

レポート 2018年3月30日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

岡山地裁、広島高裁判決の詳報 Vol.1 地裁での遺族、病院側の主張 Vol.2 地裁での裁判所判断 Vol.3 高裁での遺族側、病院側の主張、裁判所の事実認定 Vol.4 高裁での裁判所判断 広島高裁判決(野々上友之裁判長(三木昌之裁判長代読))2018年2月16日 広島高裁における原告、病院側の主張は『病院側逆転敗訴、高裁はどう判断したか-岡山地裁、広島高裁判決の詳報◆Vol.3』。 3 争点1について (1)診察時に男性は腹部大動脈瘤が既に破裂し、または切迫破裂の状態にあったか否か ア 上記1の事実によれば(1)男性は11月7日午前の時点で最大径55mmもの大きさの腹部大動脈瘤が存在していたこと、(2)11月7日朝に訴えた腰背部痛は突然発症した急性で、体動時でなくても痛みのある安静時痛であり、被告病院の救急部を受診することを要すると感じられる程度に痛みの強いものであったこと、(3)11月7日朝の収縮期血圧が低下し、(4)若干の嘔吐をしていたこと、(5)直接の死因は腹部大動脈瘤破裂(クローズド・ラプチャー)であったことの各事実は認められる。 そして、上記2の医学的見地によれば、上記...