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延命治療の“引き算”、“足し算”をめぐりシンポ

レポート 2018年3月19日 (月)  大西裕康(m3.com編集部)

医師らを含む多くの人が参加した。 東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣講座は3月18日、同大本郷キャンパスで「"引き算"の医療 本当の手厚さへの模索 "足し算"と長寿時代のエンドオブライフ・ケアについて考える」をテーマにシンポジウムを開いた。同講座の会田薫子特任教授は、「“引き算”として特に不要な延命治療を終えるということを適切な医療の選択肢にするため、何が必要か考えなければならない」と開催趣旨を説明。“足し算”については、「特に緩和ケアがまだまだ不十分。また、(積極的な延命のための)治療を終える時に患者の苦痛を和らげる、コンフォートケアの研究が併せて必要だ」と訴えた。参加予約は満員で、定員600人の会場を参加者が埋め尽くした。 会田氏は、医学的な観点で不要と考えられる延命治療が存在する理由として、▽これまで治療終了の基準や訴追免責の条件が明確でなかった▽過去に警察が介入して殺人容疑で取り調べた事例があった▽警察介入事例を連続殺人容疑のように取り上げた報道もあった――を挙げた。その上で、「一度始めた人工呼吸器は患者が亡くなるまで絶対に止めない」との方針を定めている...