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オペ室のフィジシャン・アシスタント(PA)って何? 前編

オピニオン 2018年4月8日 (日)  北原大翔(シカゴ大学 心臓胸部外科心肺移植・機械式循環補助 クリニカルフェロー)

[連載第1回はこちら] 米国の臨床現場で、日本で働いていた時と大きく違うなと思ったのが、フィジシャン・アシスタント(PA)の存在です。PAという職業の定義はよくわかりませんが、僕がわかる範囲でいうと手術室で助手や簡単な手技をしたり(Operation Room PA=ORPAと言ってます)、病棟で患者管理をしたり、外来の手伝いをしたりしてる人達です。要はフィジシャン(医師)の仕事をアシスト(助ける)してるということです。今回は僕がよく接するORPAの話です。シカゴ大学には現在4人のORPAがいます。 ジョン・Gは白髪で恰幅のいい最も紳士的なPAです。彼は優しく、気が利いて最強のPAです。彼が一人いるだけで、おそらくどんなに難しい手術でもなんとか完遂できるような気になれます。もちろん、技術で言ったら僕なんかより格段に手術が上手です。 彼がすごいのは、恐ろしく高い技術と心臓外科疾患に関する知識を持っているのにもかかわらず、決して術者に対して不満などを言わず、黒子に徹し圧倒的なサポート力を注いでくれるところです。シカゴ大学から誰か一人だけ連れていっていいよと言われたら、間違いなくジョン・Gを...