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医薬分業、“失われた40年”取り戻す第一歩 - 幸野庄司・健保連理事に聞く◆Vol.3

インタビュー 2018年4月6日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――調剤薬局については、前回改定に続き、大型門前薬局の調剤基本料が今改定でも大幅な引き下げとなり、「同一敷地内薬局」の点数も低く抑えられました。そもそも医薬分業はどうあるべきだとお考えでしょうか。 医薬分業率は7割を超えましたが、“失われた40年”だと思っています。約40年来、医薬分業が進められてきましたが、国民にいったい何をもたらしたのでしょうか。門前薬局が乱立することにより、地理的には便利かもしれませんが、一方でセルフメディケーションの意識を失わせたのが一番の弊害でしょう。私が子供の頃は、何か具合が悪くなったら、まずは家にある常備薬を飲んだり、薬局に行って一般用医薬品を買い、学校を休まずに、何とか治そうとしたものです。しかし、今はそうした機能を果たしてくれる薬局は少なく、具合が悪いと「病院に行こう」となります。 また調剤薬局が数多く増えたため、患者さんの薬を一元管理する役割も薄れ、高齢者の残薬や多剤投与が社会問題化していることも大きな弊害です。 「薬価制度の抜本改革と言われるが、果たして抜本改革だったのか」と疑義を呈する幸野庄司氏。 医薬分業が今のように機能していない最大の原因は、...