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医療事故で刑事事件化、「軽率性」「未熟性」の傾向

レポート 2018年4月4日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省の委託事業である「医療行為と刑事責任に関する研究会」は、2017年度に計6回の会議を開き、収集した約430の医療事故事例の半数を分析した結果、医療行為が刑事事件化する事例は、「軽率性」あるいは「未熟性」に類型化できる傾向があるとの認識に至った。 ただし、「軽率性」と「未熟性」の定義を明確にした分析ではないため、刑事事件化して有罪になったうち、何割が「軽率性」あるいは「未熟性」に該当するかなど、定量的な分析には至っていない。あくまでいずれか、もしくは両方の類型に当てはまる傾向があるという認識だ。 研究会の座長は、樋口範雄・武蔵野大学法学部教授が務め、医師、法学者、元検察官や元裁判官など、計10人で構成(『「医療行為と刑事責任に関する研究会」、厚労省初会合』を参照)。2018年度も同じメンバーで継続して議論を重ねる。厚労省医政局医事課によると、中間的な取りまとめを行うか否か、最終的な報告書の体裁や内容などは、現時点では未定。「まず残る半分の事例の分析を行い、その結果、どんな結論が導き出せるか次第で、その次にやることが変わってくる。事例収集の結果、刑事事件化する医療行為の件数は、最...