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医療事故調査制度、「センター調査は上級審」は誤解

レポート 2018年4月7日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

第118回日本外科学会定期学術集会が都内で開催され、4月6日の特別企画「外科医に求められる医療安全―医療事故調査制度開始2年を経て―」で、日本医療安全調査機構の総合調査委員会委員長を務める山王病院・山王メディカルセンター血管病センター・センター長の宮田哲郎氏は、医療事故調査制度の院内調査とセンター調査について、「誤解がある」と指摘した。「裁判と同じように、センター調査は、上級審に当たるのでは、という意見もあるが、決してそうではない。両者の結果が異なることもあるが、それぞれの調査が尊重され、相互の調査が相まって、今後の再発防止に役立っていく」と説明した。 院内調査とセンター調査の考え方(提供:宮田氏) 宮田氏の講演テーマは「センター調査の標準化の試み」。2015年10月にスタートした医療事故調査制度は、院内調査が基本だが、医療機関もしくは遺族が第三者による調査を希望した場合には、医療事故調査・支援センターである日本医療安全調査機構に、センター調査を依頼することが可能。院内調査は、自律的な取り組みであり、「自らの組織における医療の安全の問題点を見直し、さらに発展させる重要なプロセス」と説明...