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薬価制度の抜本改革って何?

スペシャル企画 2018年4月11日 (水)  大西裕康(m3.com編集部)

Q:薬価制度の抜本改革って何? 保険診療を行う場合、医師が選ぶ薬剤は、国(厚生労働省)が定める「薬価基準」という価格表に「価格=薬価」が収載されている範囲と決まっています。2018年度の「薬価制度の抜本改革」では、この「薬価の決め方」を大きく変えると決めました。 Q:なぜ「抜本改革」が必要なの? きっかけは、全く新しい作用機序の抗がん剤として小野薬品工業が開発した「オプジーボ」の登場でした。2014年10月の収載時の薬価は、点滴静注100mg1瓶で72万9849円などと高額でしたが、適応疾患は「悪性黒色腫」に限られ、年間の患者数の見込みも最大で470人程度と少なく、高い薬価は問題になりませんでした。しかしその後、「非小細胞肺がん」の適応が加わり、新規投与患者数の見込みが1万5000人程度にまで拡大したことで問題が顕在化しました。 この事態を政府が問題視、薬価を決める場である中医協(中央社会保険医療協議会)でも懸念が続出したため、2016年11月、緊急的に薬価を半額まで引き下げることが決まりました(実際の引き下げは2017年2月から)。さらに厚生労働大臣を含む4閣僚が2016年12月、「...