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地裁は医師の検査義務違反を認めず-横浜地裁、東京高裁判決の詳報◆Vol.2

レポート 2018年5月7日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

Vol.1 地裁での遺族、病院側の主張 Vol.2 地裁での裁判所判断 Vol.3 高裁での遺族側、裁判所の事実認定 Vol.4 高裁での裁判所判断 横浜地裁判決(石橋俊一裁判長) 2017年6月8日 横浜地裁における原告、病院側の主張は『緊急搬送の13歳が死亡、当直医は必要な検査を怠ったのか-横浜地裁、東京高裁判決の詳報◆Vol.1』。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前記前提事実、証拠及び弁論の前趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (1)病院への受診以前の診療経過 ア 男子中学生は2009年6月、嘔吐・頭痛の体調不良によりC医院を受診し、偏頭痛と診断された。 イ 男子中学生は9月21日夜、頭痛を訴えるとともに嘔吐し、祖母の要請により、B病院に救急搬送され、点滴と血液検査などを受けて帰宅し、25日の外来再診時に起立試験を受けるなどした。B病院の医師は、男子中学生の頭痛の原因がOD(起立性調節障害)であるとは考えがたく、経過から偏頭痛が疑わしいとして次回の受診を1カ月後とした。 (2)本件搬送と被告病院での診察経過 ア 男子中学生は10月3日深夜、複数回嘔吐し、下痢をした。叔父...